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WHITEPAPER 09 / AX FOR REVENUE INSTITUTE

AI時代のマネジメントは、AIとの共創を束ねられるかで決まる

── 共創オーケストレーション:効率化でも個人技でもない、収益進化の経営論

AIを導入した。議事録は一瞬でまとまり、資料づくりは速くなった。それでも、売上の景色は変わらない。問われているのは「AIを使えるか」ではない。AIと人の共創を、組織として、収益のために束ねられるかだ。これは、人をAIで置き換える話ではない。AIと人の境界が動く時代に、人間のPIと意思を開き続けるマネジメントの話だ。

AIを使う組織は増えても、語られるのは効率の山ばかり。差がつくのは、AIとの共創を組織として束ねられるかどうか。

Pages
23 pages
Edition
v1.0 / 2026.06
Reader
経営者・CAXO・AI推進責任者
Publisher
AX for Revenue Institute × POT Institute
WHITEPAPER 09
AX FOR REVENUE INSTITUTE

AIとの共創をオーケストレーションするマネジメント論。

効率化AIの組織論でもなく、個人の創造の話でもない。AIと人の共創を、組織として、収益のために束ねる。── 収益進化のマネジメントとは、AIとの共創を組織化する技術である。

AlphaDrivePDF · 23P

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01 / 問題提起

AIを導入したのに、なぜ売上の景色は変わらないのか

01

効率の山しか、登っていない

AIで仕事は速く・安くなった。だがそれは「効率の山」の話。新しい売上を生む「進化の山」には、まだ手がついていない。

02

二つの議論が、噛み合っていない

世界の「AIマネジメント論」は効率に偏り、「AI共創の研究」は個人にとどまる。両者を束ねる経営論が、まだ存在しない。

03

放っておくと、答えが似てくる

全社員が同じAIに同じように頼れば、提案は良くなっても組織の答えは収束する。差別化が、静かに死んでいく。

効率の山では、収束が善だ。
進化の山では、収束は、死だ

02 / 空白地

二つの会話のあいだに、空白地がある

世界の専門家は、いま大きく二つのことを語っている。ひとつは「組織をどう変えるか」、もうひとつは「AIと人が、どう一緒に良いものを生むか」。だが、この二つはつながっていない。

マネジメントの会話組織をどう変えるか=効率の山AI共創の会話人とAIで価値を生む=個人の話空白地共創オーケストレーション
二つの会話の交差点に、空白地がある。私たち AX for Revenue Institute は、ここを「共創オーケストレーション」と名づけ、収益進化のマネジメントの中核に据える。
03 / 用語解説

そもそも、「AIマネジメント」と「AI共創」とは

本書が交わらせる二つの言葉を、先に定義しておく。どちらも盛んに語られているが、別々の場所で論じられている。

KEYWORD 01

AIマネジメントとは

AIやAIエージェントを業務に組み込み、組織・人・成果をどう設計して動かすかを問う、経営の営み。

世界の議論は、組織のフラット化やAIエージェントの統制に集まっている。だがその多くは「定義済みの成果を、より少ない人数で効率よく回す」という効率の山に閉じている。

KEYWORD 02

AI共創とは

人とAIが役割を分けて協働し、一方だけでは到達できない新しい価値を生み出すこと(Human–AI Co-Creation)。

価値創造を扱う点で重要だが、研究の多くは「一人の人間と一つのAI」という個人レベルにとどまり、組織論にも収益論にも、まだなり切れていない。

「AIマネジメント」は組織を語るが効率に偏り、「AI共創」は価値創造を語るが個人にとどまる。その交差点こそが、共創オーケストレーションである。

04 / 定義

共創オーケストレーションとは

共創オーケストレーションとは、多数のAIを束ねる技術(AI Orchestration)を拡張し、AIエージェントだけでなく、人間のPI、チームの組み合わせ、組織風土、経営判断までを設計対象に含める考え方である。これは「AIをうまく使う技術」ではない。AIと人の境界が動き続ける時代に、人間のPIと意思が失われないよう、AIエージェント・人間・チーム・組織風土・経営判断をつなぎ直し続けるマネジメントである。

「AIを使えるか」を問う限り、組織の出力は世界の平均へ近づいていく。問われているのは「使えるか」ではなく、誰の、何をAIに注ぎ、それをどう束ねるか である。

個人の創造性を扱う研究はある。組織のフラット化を語る経営論もある。だが、その二つを縫合し、AIとの共創を収益へ接続する設計論は、まだ言葉になっていない。本書はその輪郭を与える。

05 / Contents

この資料で、わかること

事業・全社の共創責任

Human ── 判断
意思・投資・説明責任
AX ── 処理
分析・候補生成・学習整理

PJ・チームの共創設計責任

Human ── 判断
チーム設計・境界判断・検証設計
AX ── 処理
タスク分解・実験案生成・進捗分析

現場の価値創出責任

Human ── 判断
Field/Crazy・顧客反応解釈・最終判断
AX ── 処理
調査・資料化・プロトタイプ・自動処理
三つは命令階層ではなく、責任粒度の違い。どの粒度にも、人間の判断とAIの処理が同居する。

実装単位は、部門でも階層でもなく「判断点」である。すべての業務の中に毛細血管のようにAIを張り巡らせ、同時に人間の判断点をどこに残すかを設計する。

続きは、本書で。 無料ダウンロード

効率の山は、AIが安く登らせてくれる。
だが進化の山は、束ねられる組織にしか登れない。

06 / 二つの駆動モード

「AIエージェントが自走する領域」と「PIの担い手が主導する領域」を分ける

世界の議論は「人間か、AIエージェントか」に二極化している。だが現場で問うべきは、どちらが優れているかではない。その判断点で、成果は定義済みか未定義か、収束が価値か、多様性と飛躍が価値か——この見極めである。

① 自律AIエージェントが自走する領域② AI拡張型の共創者(PIの担い手)
何をするか成果が定義済みの仕事を、人間の監督下でAIエージェントが自走的に処理するAIを外部拡張としてまとい、自らのPIを注いで新しい答えを生み出す
向く領域効率の山(成果が定義済み)進化の山(成果が未定義)
収束(均質化)善 ── 最適解へ収束させる死 ── 多様性こそが価値
人間の立ち位置監督者(オーバーサイト)共同創作者・PIの注ぎ手
マネジメント責務品質・リスク・説明責任を守るPIと意思を失わせず、探索・飛躍・検証の場を守る

②でいう「AI拡張型の共創者」とは、AIによって能力を拡張された、PIの担い手である。プロンプトがうまい人やAIに詳しい人のことではない。AIを外部認知・外部実行・外部対話の拡張としてまといながら、自らの意思とPIを失わず、「なぜそれだけなのか」「自社の現場では何が違うのか」と問い直し、AIを学習範囲の外へ跳ばす人、またはチームだ(多くの場合チームを指す)。AI拡張型の共創者を、PIの担い手であり続けさせること自体が、AI時代のマネジメントの能動的な責務である。

07 / 落とし穴

AI共創研究が示す、マネジャーが見落とす落とし穴

+8.1%

AIのアイデアに触れた書き手は作品の新規性評価が最大8.1%向上。一方で作品どうしは互いに似通い、集合的な新規性は失われるリスクがある ── Doshi & Hauser 2024(短編創作のランダム化実験)

  1. 1

    均質化のパラドックス個人の質は上がるのに、皆が同じAIに頼ると組織の答えは似通う。差別化が静かに消える(de Rooij & Biskjaer(2026)のレビューでも示唆されている)。

  2. 2

    「編集者」に落とす罠AIに先に答えを出させ、人が追認するだけの設計では創造性も自信も落ちる(McGuire et al. 2024)。

  3. 3

    受動化Walton et al.(2026)のHuman–AI協働デザイン研究では、808件のセッションの50%で参加者が受動状態にとどまった。AI共創環境を用意するだけでは、人は自動的に能動的な共創者にはならない。

  4. 4

    “ラクなAI”への逃避摩擦のない心地よい共創ほど、均質化の山へ滑り落ちやすい(Liu et al. 2025)。

各落とし穴への打ち手は、本書で。 無料ダウンロード

AIとの共創は、放っておけば
“ラクなほう”へ、そして“似たほう”へ流れる。

08 / 反転

同じ「AIとの共創」でも、二つの山で正反対になる

観点効率の山(①AIエージェント自走中心)進化の山(②AI拡張型の共創者中心)
共創の目的定義済み成果の高速・低コスト化未定義の収益仮説(AI Mutation)の創出
収束(均質化)善 ── 最適解へ収束死 ── 皆が同じ答え=差別化喪失
人間の役割監督者共同創作者・PIの注ぎ手
失敗モード統制不全・説明責任の希薄化受動化・均質化・心地よさへの逃避
マネジメントKPIコスト削減ROI・処理時間Revenue ROI / 集合的新規性(測定法は未確立)

進化の山の「組織として、どれだけ多様で新しい収益アイデアを生めているか」を測るものさしを、世界のマネジメント論はまだ持っていない。私たちはそれを仮に「集合的新規性」と呼ぶが、確立された測定法はまだ存在しない。本書はこれを答えとしてではなく、今後取り組む研究課題として提示する。

見立てと成果を分ける。集合的新規性のような研究途上の先行指標や、特性・風土といった見立て指標は、個人の査定や序列化に直接用いるものではない。一方で、Revenue ROI・仮説検証・学習貢献・チーム成果といった成果・貢献指標は、AI収益進化の成果・貢献指標として、将来的に評価・報酬と接続されうる。見立ては可能性を開くために、成果・貢献は、AI収益進化への貢献を報いるために使う。

09 / 信頼性

誰が、何に基づいて書いたか

発行
AX for Revenue Institute × POT Institute(株式会社AlphaDrive)
編集主幹
麻生要一(AlphaDrive CAXO)/ POT Institute
POTの役割
AI時代に人間のPIがどう表出し、AIでどの特性が開くかを研究する。アセスメント提供にとどまらない。
実装基盤
260社を超える大企業の事業創出と、23,800を超える事業プロジェクトへの伴走から得た実装知見
学術的根拠
AI共創・組織行動に関する複数の研究に基づく(Doshi & Hauser, de Rooij & Biskjaer〔査読前〕, McGuire, Walton, Liu, McKinsey, HBR・BCG ほか)
姿勢
依拠する研究の限界(査読前・概念実証・測定の限定)も明示する、検証に開かれた論考。売り込み資料ではない。
関連書籍
麻生要一『AI収益進化論』(2026)
10 / 分岐

誰が、この共創を束ねるのか

効率の山

COO ── オペレーションの最適化

定義された業務を回す営み。世界はCOOがC-suiteで最も重くなると予測した。これは効率の山を磨き上げる、確かな仕事である。

二つの山を横断

CAXO ── AI変革と収益進化を横断接続する責任

CEOの事業の意思、COOの実行構造、CTO等の技術・データ基盤を、AI変革と収益進化の文脈で横断接続する責任。新設役職である必要はなく、企業の成熟度やテーマによって、CEO自身・COO・CTO・CHRO・CIO/CDOが実質的に担うことから始められる。

同じAIでも、束ね方しだいで効率の山にとどまるか、進化の山を拓くかが分かれる。分岐をつくるのは、AIではなく組織の側である。

あなたの組織は、どちらの山を登っているか。

無料でダウンロード

効率の山には、COOがいる。
だが二つの山を横断し、人間のPIを開き続ける責任には、まだ多くの企業で名前がない

11 / FAQ

FAQ

Q. 共創オーケストレーションとは何ですか?
AIと人の共創(人とAIが新しい価値を生むこと)を、個人ではなく組織として、収益のために束ねる技術です。多数のAIを束ねる「AI Orchestration」を、人を含むチーム全体へ拡張した考え方です。
Q. 「①自律AIエージェント」と「②AI拡張型の共創者(PIの担い手)」はどう違いますか?
①は成果が定義済みの仕事を、人間の監督下でAIエージェントが自走的に処理します。②は成果が未定義の領域で、AIに能力を拡張された人やチームが、自らのPI(人にしかない知恵)を注いで新しい答えを生みます。その判断点をどう動かすかが、最重要の設計判断になります。
Q. なぜ「みんなが同じAIを使うと差別化が消える」のですか?
研究(Doshi & Hauser 2024 ほか)は、AIに頼ると個人の質は上がる一方、出力が似通う「均質化」が起きることを示しています。処理時間やコストの指標には現れない、見えにくい経営リスクです。
Q. 集合的新規性は、測れるのですか?
組織全体が生む新しいアイデアの多様性を測るものさしですが、確立された測定法はまだありません。本書はこれを答えとしてではなく、今後取り組む研究課題として提示します。
Q. CAXOとは何ですか?
CEOやCOOに代わる上位役職ではありません。事業の意思・実行構造・技術基盤を、AI変革と収益進化の文脈で横断接続する“責任”の名前です。企業によっては、CEO・COO・CTO・CHRO・CIO/CDOが実質的CAXOとして担うことから始められます。
Q. これは、新しい評価軸で人を序列化する話ですか?
いいえ。特性・風土・集合的新規性のような見立て指標は、査定に直結させず、機会設計やチーム設計に使います。報われるのは成果(仮説検証・学習貢献・Revenue ROIなど)です。見立てと成果を分けるのが本書の立場です。
Q. AIに任せると、人の役割は消えませんか?
①に任せられる仕事は増えますが、進化の山では人のPIが価値の源泉です。役割は消えるのではなく、②(AI拡張型の共創者)へ移っていきます。
12 / Download

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WHITEPAPER 09
AX FOR REVENUE INSTITUTE

AIとの共創をオーケストレーションするマネジメント論。

効率化AIの組織論でもなく、個人の創造の話でもない。AIと人の共創を、組織として、収益のために束ねる。── 収益進化のマネジメントとは、AIとの共創を組織化する技術である。

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