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POT Assessment 5つのレンズ|PIの出方を可視化する補完チーム設計の道具

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beyond-searching-for-superstars では、AI 時代の事業変革を「すごい個人ひとり」に託そうとする発想を卒業し、補完チームで PI を立ち上げる必要性を整理した。では、その補完チームは、どんな道具を使って設計すればよいのか。本記事では、AlphaDrive / POT Institute が実践現場で構築してきた POT Assessment の 5 つのレンズを、独立記事レベルの粒度で扱う。5 つのレンズは、スキルマップでは見えない「PI(Primal Intelligence) の出方」を可視化する道具である。AI は効率化から、収益の創造へ。その転換の起点は、誰の PI がどう出るのかを、正しい道具で見ることにある。

POT Assessment とは、AlphaDrive / POT Institute の実践現場から構築された、変革人材の PI の出方を可視化するアセスメントである。情報把握・思考判断・モチベーション行動・自己評価・対人の 5 つのレンズと 40 特性で構成される。PI はスキルではなく、認識・判断・行動・自己評価・対人関係の出方の中にある。5 つを一人が持つ必要はない。人を査定するのではなく、補完チーム設計の道具として使う。

本記事は、POT Assessment の 5 つのレンズを独立記事レベルの粒度で定義し、補完チーム設計の道具としての運用原理を整理した METHOD 記事である。

POT Assessment とは何か ― PI の出方を可視化する 5 つのレンズ

POT Assessment は、AlphaDrive と POT Institute が実践現場で構築してきた、変革人材の PI の出方を可視化するアセスメントである。AI 時代の事業変革の担い手を「発掘し、組み合わせ、配置し、蓄積し、再配置する」ための第一層の道具として位置付けられる。

ホワイトペーパー WP-08『AI 時代の企業文化』図表 2 では、変革人材の可視化は三層で整理されている。第一層が POT Assessment(誰の PI か)、第二層がチーム設計(どんな組み合わせか)、第三層が culture7-seven-factors(組織が受け止められるか)である。本記事は第一層の POT Assessment を扱い、第三層 CULTURE7 は姉妹記事に譲る。

なぜスキルマップでは足りないのか。理由はひとつで、PI はスキルではないからである。「PIはスキルではなく、認識・判断・行動・自己評価・対人関係の出方の中にある」と整理されている(麻生要一『AI収益進化論』第4章、および WP-07 第4章)。スキルは「何ができるか」を測る。スタイルは「どのように認識し、判断し、動き、自己を捉え、関係を作るか」を見る。両者はカテゴリが異なる。効率化 AI の時代にはスキルマップが有効に機能した。ただし PI Injection の時代には、スタイルを見る道具が別途必要となる。

POT Assessment は「4 分類 19 項目」と「5 スタイル 40 特性」という 2 つの切り口を持つ。前者は変革人材の総体を分類する枠組み、後者は PI の出方を細部まで見る枠組みである。本記事では後者を主に扱う。

5 つのレンズの全体像 ― どの PI にどのスタイルが効くか

5 つのレンズは、それぞれ独立した観点で PI の出方を見る。全体像は次のとおり整理されている(WP-07 図表 6 に準拠)。

レンズ見ているものPI との接続
情報把握スタイル何に気づくかField Intelligence
思考・判断スタイルどう意味づけるかCrazy Intelligence → 仮説
モチベーション・行動スタイルどれだけ試すかInjection の回数
自己評価スタイル不確実性への耐性仮説を持ち続ける力
対人スタイル誰から拾い、誰を巻き込むかField 収集 / チーム形成

スキルが「何ができるか」を測る道具なら、スタイルは「どのように考え、動き、関係を作るか」を見る道具である。この差異が、POT Assessment を既存の性格アセスメント群と区別する中核でもある。既存アセスメントを否定するものではなく、目的が異なる。POT Assessment は「PI がどう出るのか」だけを見るために設計されている。

各レンズの詳細定義

以下、5 つのレンズを、それぞれ「見るもの」「PI との接続」「5 機能との接続」「代表的な特性の例」の 4 項目で定義する。5 つのレンズと pi-injection-five-functions は、一対一で固定されない。複数のレンズが重なって一つの機能を担うこともあれば、一つのレンズが複数の機能に効くこともある。

レンズ 1:情報把握スタイル

見るものは、情報をどのように認識しているか、何に違和感を覚えるかである。PI との接続は、FI の拾い方、および現場の「おかしい」を察知する感度に効く。Crazy を出すには、常識の外側を認識する感度が必要となる。5 機能との接続では「Crazy を出す」「Field を拾う」の 2 機能に主に関わる。代表的な特性の例として、未来を志向する、直感を重視する、独自性を持つ、観察が鋭いなどが挙げられる。40 特性の詳細は POT Institute のアセスメントドキュメントに譲る。

レンズ 2:思考・判断スタイル

見るものは、情報をどう吟味し、どう決めるか。論理で収束するか、直感が先に動くか。PI との接続は、Crazy を AI に投入可能な仮説へ変換する翻訳力である。CI(狂気の知性)を「検証可能な仮説」に整えることが、AI Mutation の起点になる。5 機能との接続では「Crazy を出す」「論理化する」の 2 機能に関わる。代表的な特性の例として、論理的に考える、批判的に考える、類推して考える、直感を重視するなどが挙げられる。

レンズ 3:モチベーション・行動スタイル

見るものは、行動につながるものは何か。外部の報酬か、内発的な衝動か。PI との接続は、PI Injection の試行回数を回し続けるエネルギーに効く。前著『新規事業の実践論』の「300 回」原則の AI 時代版を回すには、この特性が土台となる。5 機能との接続では「実装する」機能が中心となり、「Crazy を出す」の初動にも関わる。代表的な特性の例として、まずやってみる、大胆に行動する、新しさに臨機応変、粘り強く続けるなどが挙げられる。

レンズ 4:自己評価スタイル

見るものは、自分自身をどう捉えるか。不確実な状況でも自分の仮説を持ち続けられるか。PI との接続は、失敗の連続を前提とする PI Injection において、仮説を更新し続ける自己認識の力である。5 機能との接続では「巻き込む」の土台に関わる。仮説を持ち続ける自己認識がないと、途中で折れる。代表的な特性の例として、自己を貫徹する、自分をコントロールする、曖昧を許容するなどが挙げられる。

レンズ 5:対人スタイル

見るものは、人に対しての認識と行動のバリエーションである。PI との接続は、Field を集めるための現場との信頼関係、およびチームで PI を発揮するための異なる特性の人材との協働力である。5 機能との接続では「Field を拾う」「巻き込む」の 2 機能に関わる。代表的な特性の例として、社交的に行動する、自己開示する、他者を受け入れる、人を巻き込む、信頼し合うなどが挙げられる。

全体を通じた注意点をひとつ添える。5 つのレンズは対等な観点であり、優劣はない。どのレンズも、それ単独では PI Injection を回しきれない。5 機能のバランスを組織として担保することが要点である。

5 レンズ × 5 機能 ― 補完チーム設計の原理

5 つのレンズを PI Injection の 5 機能と接続すると、以下の整理が得られる(WP-07 第 4 章に準拠)。

5 機能主に関わる 5 レンズ
Crazy を出す情報把握、思考・判断(直感・類推・曖昧さ許容・未来志向・独自性)
Field を拾う情報把握、対人(観察・対人感受性・現場接続・一次情報への執着)
論理化する思考・判断(構造化・批判的思考・因果把握)
巻き込む対人、自己評価(社交性・自己開示・他者受容・信頼形成)
実装するモチベーション・行動(まずやってみる・粘り強さ・行動量・調整力)

ここから導かれる補完チーム設計の原理は、極めてシンプルである。一人の中に 5 レンズすべてを高水準で探さない。5 機能のバランスを、複数メンバーで組み合わせる。5 機能のうち偏りが大きい機能を見つけ、補完メンバーを配置する。この 3 点が原理である。

WP-07 第 4 章では「一人にすべてを探さない」ことが繰り返し強調されている。重要なのは、5 つのレンズを一人の中にすべて探すことではなく、誰がどの PI の出方を担いやすいのかを見立て、5 機能として組み合わせていくことである。人材を「点」で評価するのではなく、「組み合わせ」として設計する発想への転換が、POT Assessment の中核的な使い方となる。

5 つのレンズを用いて発見される代表的な機能パターンとして、変革人材の 3 タイプ(巻き込み型 / アイデアメーカー型 / ビジョン創造型)の整理が WP-07 で提示されている。ただし本記事は 5 レンズの定義に集中するため、3 タイプの掛け合わせ実践論は姉妹 METHOD 記事に譲る。具体的な配置テンプレート、アサインメント手順、スコアリング詳細は、案件ごとに事業パートナーと設計するものであり、一般化された運用ステップとしては提示しない。理由は明確で、5 レンズの出方は事業の特性・組織風土・PI Injection の対象領域によって組み合わせ方が変わるためである。一般化した手順を提示することは、POT Assessment の道具としての価値を毀損する。

査定からの分離 ― POT Assessment の運用原則

POT Assessment を運用するうえでの最重要原則は、査定と分離することである。「POT Assessment の結果を、人事評価の直接的な判断材料として使わない」ことが、WP-07 第 7 章で運用原則として整理されている(assessment-separation-from-appraisal)。

なぜ査定と分離するのか。理由は 3 つある。第 1 に、変革人材の特性は、既存事業の評価軸と構造的に対立することが多い。既存事業では「大胆に行動する」「常識の外側を認識する」「曖昧を許容する」等の特性は、規律違反やリスク行動として評価されることがある。第 2 に、評価に直結させた瞬間、組織はその測定を「査定」として受け取る。変革人材は「組織が望む答え」を選ぼうとし、データの質は劣化する。第 3 に、既存の人事評価制度は、既存事業の再現性を高めるために設計されている。変革人材の可視化を人事評価の内部に取り込むと、両者の設計思想が衝突する。

POT Assessment の役割は、WP-07 図表 8 で次のように整理されている。対象は「人を査定する」ではなく「PI の出方を可視化する」。目的は「優秀者を選抜する」ではなく「変革チームを設計する」。用途は「人事評価に使う」ではなく「配置・アサイン・学習に使う」。単位は「個人スコアを見る」ではなく「組み合わせを見る」。この 4 点の役割転換が守られるとき、POT Assessment の価値は長期的に発揮される。

既存の人事評価制度・人事責任者との関係については、既存制度を否定するものではない。人事評価は既存事業の運営に必要な機能を担っており、その役割は継続する。POT Assessment は、その隣に、別の目的で設計された道具として置かれる。両者は補完関係であり、代替関係ではない。

よくある質問

Q1. 5 つのレンズは、既存の性格アセスメント(MBTI、Big Five、ストレングスファインダー等)と何が違うのですか。

既存アセスメントを否定するものではありません。ただし目的が異なります。既存アセスメントの多くは、個人の一般的な性格傾向や強みを把握することを目的として設計されています。POT Assessment は、PI(Primal Intelligence)の出方を可視化することだけを目的として構築されています。学術的背景として Kaufman et al. (2015/2016) の Openness と創造的達成の関連、Grajzel et al. (2023) の Big Five と発散思考のメタ分析等を踏まえつつ、AlphaDrive / POT Institute が実践現場での運用を通じて独自に整理した体系となります。既存アセスメントと POT Assessment は、同じ人材を別の観点から見る補完的な道具として捉えるのが自然です。

Q2. 5 つのレンズすべてを高水準で持つ人材は、本当に存在しないのですか。

「絶対にいない」と言い切ることはできません。ただし、そうした人材を前提とした組織設計は、現実的ではないと整理されています。5 つのレンズは独立した観点であり、それぞれの特性は必ずしも同じ人格に集約しません。むしろ、5 レンズを一人に探し続けることによって、既存メンバーの中にある PI の出方を見過ごすリスクが高まります。前提記事 beyond-searching-for-superstars で整理したとおり、「すごい個人ひとり探し」から「補完チーム設計」へと発想を転換することが、AI 時代の変革人材論の起点となります。

Q3. POT Assessment を人事評価に一切使わないと、既存の人事制度との整合はどうつけるのですか。

POT Assessment は、既存の人事評価制度を代替する道具ではありません。人事評価は、既存事業の再現性・公平性・給与決定のために必要な機能を担い続けます。POT Assessment は、その隣に、変革チーム設計・PI Injection の担い手発見・人的資本オーケストレーション の目的で置かれる別の道具です。両者は目的が異なるため、直接統合する必要はありません。整合の設計は、案件ごとに CHRO・人事責任者・経営者と協議のうえ個別に組み立てるものと位置付けられます。

Q4. 5 レンズを自社で運用できますか。それとも AlphaDrive の伴走が必要ですか。

POT Assessment の概念的な理解は本記事および WP-07 で提供できますが、5 レンズを用いた実運用(アセスメント質問設計、スコアリング、配置設計、査定からの分離運用の組み立て)は、案件ごとに設計する必要があります。自社の変革対象領域・組織風土・既存人事制度との整合を踏まえた個別設計が要点となるため、具体的な運用支援を必要とする場合は axfr.ai/contact 経由でご相談ください。


POT Assessment は、PI の出方を可視化する 5 つのレンズである。5 つのレンズは、補完チーム設計の道具として使う。査定と分離することで、POT Assessment の価値は長期的に発揮される。具体的な運用設計は axfr.ai/contact 経由で個別に組み立てる。

発行: 株式会社アルファドライブ

References

出典

  1. 株式会社Ambitions(AlphaDrive 100%子会社)AI収益進化論──完成品製造コストゼロ時代の収益創造(2026)https://axfr.ai/book
  2. Scientific Reports(Nature Portfolio)Establishing the importance of co-creation and self-efficacy in creative collaboration with artificial intelligence(2024)https://www.nature.com/articles/s41598-024-69423-2
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